事業を始める際には、どれほどの費用投資が必要になるか把握しなければなりません。お金がどれだけ必要になるかわからなければ、銀行などへ融資を申し込むこともできないからです。エステサロンを開業する場合も、費用がどの程度かかるのかを知ることで、具体的な準備に取りかかれます。エステサロンの開業を検討している人は、記事を読み、オープンまでに必要な予算感を身につけてください。
開業スタイルで必要な費用に差が出る
エステサロンを開業する前には、どのようなスタイルの運営スタイルにするかを、決めておかなければなりません。なぜならエステサロンの運営スタイルによって、かかる費用が異なるからです。
エステサロンを営業するには、大きく分けて2つのパターンがあります。自宅で開業するスタイルと、自宅以外の場所で開業するスタイルです。ここでいう自宅以外の場所で開業するスタイルとは、たとえば既存の施設内にあるテナントをレンタルして開業することを指します。
経営者の視点でみると、2つの運営スタイルには、費用の面で明確な差があります。
自宅を利用してエステサロンを開業する場合、新たに家賃がかかりません。しかしテナントなどをレンタルする場合は、当然ながら賃料がかかります。
自宅サロンなら30万円程度から可能
エステサロンを自宅でオープンするケースだと、新たに賃料がかからない分、開店資金は少なくて済むのがメリットです。しかし、施術に使うエステ機器が必要になったり、化粧品やタオル、シーツやベッドなどの備品が必要になったりすることがあります。
また来店したお客に対して、施術内容を説明したり、要望をヒアリングしたりするためのテーブルや椅子が必要になることもあるでしょう。さらに顧客データやホームページを管理するためのパソコンやプリンター、固定電話や洗濯機などの備品も、場合によっては必要です。
これら備品類に関しては、プライベートで使っているものを使いまわしても問題ありません。むしろその方が、費用を節約できるので効率的です。
最低限のベッドと施術に必要な化粧品やタオルさえあれば、エステサロンを開店できます。この場合、初期費用として30万円程度を目安としてください。もちろん高価なエステ機器を導入したり、タオルや化粧品を高級なもので揃えたりすれば、その分費用は増えますが、おおよその予算感はこの程度です。
しかし自宅をサロンとする場合、生活感があふれる内装のままでは、少し寂しい印象をお客に与えてしまうかもしれません。プライベートの備品を使い回すことで抑えた予算は、内装費に回すことで良い効果を生み出します。一般的な内装費は、20万円程度かかると思ってください。
また、エステのメニューに痩身プログラムを入れる場合、専用マシンを導入する必要があり、費用が高くなります。さらにサロンがオープンすることを告知する時には、宣伝費用がかかることも忘れてはいけません。
既存施設のスペース提供で30万円程度
サロンを自宅で開業することができないけれど、家賃などの固定費用を抑えたい場合があります。そのようなケースでは、ホテルや温泉施設、スポーツジムなどの一角にスペースを借りてオープンすることも可能です。このような公共施設の一部を間借りしてエステサロンを開業する場合、事前に契約を結ぶ必要があります。
施設の一角を借りる方法は、場所代が安く済むため、失敗したときのリスクが小さいのがメリットです。また公共施設には、人の往来があるため、サロンへの集客が容易だというメリットも忘れてはいけません。
ただし施設利用者にターゲットを絞った、このような運用スタイルの場合、施設選びが重要です。そもそもお客の出入りが少ない施設であったり、エステサロンを利用しない客層がメインの施設だったりした場合、集客には結びつかないことがあります。そのため施設選びは慎重に行ってください。
マンションを借りて開業なら60万円程度
エステサロンをオープンするときに、賃貸マンションを借りるケースも多くあります。注意点は、事業利用が可能な賃貸マンションを選ぶこと。住居専用の賃貸マンションでは、エステサロンを開業できません。
実際にマンションを借りる時には、敷金や礼金がかかることがあります。その費用は、立地などの条件によって大きく左右しますが、総額で60万円程度が一般的です。しかし内装に費用を掛ける場合は、さらに20万円程度はかかると考えてください。
内装費を抑えるには、最初からエステサロンに適したマンションを選ぶことも効果的です。家賃と内装費のバランスをみて決める必要があります。
商業用テナントを借りると約300万円必要
人気がある商業施設内にエステサロンを開業することができれば、経営がうまくいく確率が高くなります。施設自体に集客力があるため、何もしなくてもお客が来店する仕組みができているからです。しかしその分、出店に必要な費用は高くなります。
商業スペース内にサロンを出店する場合、坪単位で保証金が必要になるため、普通に賃貸マンションを契約するよりも高額になりがちです。保証金は半年、または1年単位で支払うことが一般的であり、例えば賃料が10万円の場合だと、半年分で60万円、1年分で120万円も必要になります。
商業施設の場合、内装はコンクリートの打ちっぱなしというケースも少なくありません。エステサロン用に内装工事をいれると、坪あたり20万円から30万円は必要になります。10坪といえばエステサロンとしては小規模ですが、それでも内装費だけで200万円から300万円はかかる計算です。
道路に面していたり、多くの人が出入りしたりする商業施設に出店できれば、それなりの集客も見込めますが、十分に検討する必要があります。
レンタルサロンを借りれば初期費用は不要
初期費用を抑えてエステサロンを開業したい場合、レンタルサロンという方法があります。レンタルサロンとは、エステサロンに必要な設備が整ったレンタルスペースのことです。敷金や礼金、保証金を払う必要はありません。月単位や時間単位で場所を借りることができるので、お手軽感があります。
エステサロンに必要な施術ベッドやホットキャビは、レンタルスペースに完備しています。化粧品やタオルなどの消耗品だけ持参してください。
レンタルサロンは、初期費用を大幅に削減できます。失敗するリスクをあまり気にせず、スピーディーにエステサロンを開店できることがメリットです。反面、レンタルサロンのサービス内容はそれぞれ異なるため、十分に下調べをしなければなりません。
また共用のサロンであるため、同業者とスペースの取り合いになることもあります。時にはスペースを利用できないことがあるかもしれません。
つまりレンタルサロンを利用してエステを開業する場合、どのような設備が整っているのか、借りたい日時に利用できるのかなど、仕組みをよく理解する必要があります。
初期費用を抑えて徐々にステップアップを
エステサロンを開業するときには、「いかに初期費用をおさえるか」「どのように集客をおこなうか」「リピーターを獲得するためにはどうするか」などのポイントに気を配り、経営を軌道に乗せることが大切です。最初から、細部にこだわってしまうと全体像を見ることができなくなってしまうばかりか、費用がかさむことにもなりかねません。
開業当初には経費を抑えつつ、経営が軌道に乗ってから徐々に細部への予算を増やしていくと、成功しやすいもの。まずはレンタルサロンなどを利用して、一歩ずつ確実に進む姿勢が大切です。
レンタルサロンを運営するLMSレンタルサロンには、「家庭やプライベートを優先したい」「副業として収入が欲しい」などの要望にこたえられるサービスがあります。エステサロン開業を予定している人は、ぜひご検討ください。